相談前
相談者A子さんは3人兄弟で、兄弟のB男と同居をして面倒をみていましたが、B男が亡くなったことで、B男の相続人(子供)Cさんとの間で遺産を巡るトラブルが発生しました。 争点は、B男が生前にA子さんに対し、A子さんに生活の面倒をみてもらうことを条件に1500万円を贈与したのですが、Cさんはこのような贈与契約などなかったとしてこれを返すように求めたのです。 また、Cさんは、仮にB男がA子さんに贈与したのだとしても、遺留分が2分の1あるので、750万円を支払うよう遺留分減殺請求をしてきたのです。
相談後
本件は訴訟で争われました。当方は、A子さんの代理人となり、生前贈与の有無や遺留分減殺請求の可否を争い、勝訴的和解で解決しました。 生前贈与は契約書もなく贈与の申告もしていなかったことから、証拠が不十分かに思われましたが、生前贈与をしたといえる状況証拠を複数出しました。 Cさんは、遺留分減殺請求も行使していました。原則として遺留分減殺請求は、相続開始前の1年間にした贈与に限り行使することができるのが原則ですが、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前にした贈与も減殺の対象となるとされています。本件は、遺留分権利者を害することを知っていたかどうかが争点となりました。当方は早期解決希望でしたので、裁判官にCさんを強く説得してもらい、A子さんがCさんに僅かの金額を支払うことで和解による早期解決を実現しました。